あまりに原稿が売れない作家の郎屋無鉄砲が、唯一のとりえの腕っ節で、万引きハンターとして最底辺のストリート生活を送る。愛と暴力のイエロー・トラッシュ日記。ニックネームはジュジュです。


by junpin-juck
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沢尻とまさみ。

 エリ様問題でゴタゴタある昨今、ある男のことを思いだした。
 そいつの名はマーシャル。一流私立大の学生で、スポーツ万能、気遣いが出来てスタイルが良くて、顔は小泉孝太郎似のスーパーガイだ。
 なぜ、そんな男を思い出したのか? キーワードは、エリ様の階級。女王様だ。
 マーシャルは、ドMだったのです。
 元々、バイト先の同僚だったのだけど、なんやかんやで仲良くなった。当時の関係を分かりやすいニックネームで言うなら、軍曹と閣下。もちろん、私が閣下だ。
 で、男友達の出来やすい私ことアニキ肌。ちょいとした癖がありまして。育ちが悪いからか、頭に来ることがあると次元大介ばりの早打ちでパンチをお見舞いするという……。
 しかも私はむやみやたらに頑固なため、二時間半に一発はパンチを打ち出していた。
 いや、いやいや、もちろん、顔面へのパンチってのは、相手への敬意がある場合に限る。男と認めて伝えたいことがある時に打つのだ。
 で、マーシャル辺りに打ってるのはもちろんボディブロー。
 私の友人たちってのは、そういう暴力攻撃に耐えてくれるのだが、マーシャルの場合は特殊だった。
 パンチを打った後は、キレイさっぱり遺恨を残さないのが私の思う男らしさだ。いや、間違ってるかどうかはおいておこう。
 とにかく、怒りは発散してそれでおしまい。お湯を沸かしてる間に何か怒りポイントがあったなら、その瞬間に不動明王。鉄拳発動、終了、その後は「コーヒーに砂糖は二つだっけ?」みたいな感じだ。
 まあ大抵の友人は息を詰めて悶えながらも、回復後にはコーヒーを飲んでくれる。だが、マーシャルの場合は勝手が違うのだ。
 体をくの字に折りながら、顔が物凄いことになっている。
 浅野裕子の笑い方って分かる? こう、顔の中心に前面を寄せるみたいにする奴。あれを、顔中の皺が集中するくらいにして、目を限界まで細い三日月みたいにして笑ってる。
 狐憑きみたいだった。……藤田和日郎が描いたみたいだった。
 そう、マーシャルは、ドMだったのだ。
「オレの彼女はねぇ! 不意打ちでいきなり肛門に指を突っ込んでくれないんですよ!」と悩み、「自分から腰を振ってくる天性の淫乱女はどのくらいの割合でいるんですかね?」と悩んでいる。
 人間てのは、因果なもんだな。マーシャル、その性癖さえなきゃ、フツーにもてる奴なのに。
 で、そのマーシャルに聞いてみたのだ。
「やっぱり、エリ様とか好きなわけ? それともあれはニセモノなの?」
 対する返事はこう。
「沢尻はMですね。長澤まさみは理想的なSですよ。オレの好みとは違いますが」
 いや、とにかく、センテンスごとに疑問があった。
 なぜ、沢尻がMだと断定できるのか。確かに、あぁいう自分が可愛くてしかたない人はMっぽいけど、でも、Sの人でも単に自己偏愛の人はいるだろうしなあ。
 長澤まさみがなぜ出たのか? 沢尻会、長澤会の対立を信じているのか?
 どうしてSだと分かるのか?
 理想的なSとはなんなのか?
 そしてそれが自分の好みと違うとはどういうことなのか?
 キリがないので後半の二つだけ聞いてみた。
「男への媚ですね。媚があったら強さが弱まるじゃないですか! その強さをオレは愛しいと思うわけですよ!!」
 えーと、理想的なSってのは、媚があるのだな。なるほど。
 そして、そっから後が難しいなおい。
 なんだかスタンスがグルグル回ってる気がするよ。
 だがとにかく、マーシャルの底がひたすら深いことだけを思い知らされた。
 いや、ほんと、SMの世界の薄暗がりは、果てしないまでに広がってるな。
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by junpin-juck | 2007-10-06 00:12 | 文学的生活